鍾離の評価について暴風が吹き荒れている。
僕は前回記事に書いた通り「弱すぎるって程じゃないけど強くはない」派。
そのスタンスがブレる事はない。
肯定派の重箱の隅をつつくロジハラ野郎になるつもりもないし、
そもそも長文ツイート連打をそれぞれ読んで貰う事も難しいと思うので、
それならいっそ記事に纏めてしまおうぜというのが今回の記事。
微課金目線で見たコスパも評価内容に含まれているので、
既に星5武器完備でキャラも完凸がデフォみたいな方や、
鍾離強い派の人は特に不快感を覚えると思うので読まない方がいい。
あくまで不満を持っている人向けの溜飲が下がればいいねという内容。
後は当然、顔の良さやマルチでオブジェを作って遊べる点は評価に含まれていない。
その辺の遊び心を期待する人も納得はできないだろう。
鍾離はこれまでの星5キャラと異なり、
実装後一週間程経ってもsnsで強い派と弱い派に分かれての殴り合いが続いていた。
その最中に公式から鍾離の現状についてのメッセージが投下された訳だ。
一体、どういった層が公式のメッセージを引き出したのだろう。
ガチャを引いて性能に満足出来なかった人や、
好きなキャラなのだから従来のPU星5並に壊れていて欲しいという層だろうか。
テスト鯖での性能から大幅にナーフをされたと騒ぐ人も居るらしいし、
本国でも一悶着あったそうだが、そちらについては明るくない。
ゲームにマウントを取りたいだけの層はメールボムまではしない気がする。
そういった層にとってはあくまで話の種であり対岸の火事なので。
さておき、「これまでのPUキャラも初期には弱いと言われていた」という人も居る。
しかし従来はリソースに余裕のある(+廃課金装備)先行プレイヤーが、
実際の運用について動画を上げれば即座に鎮火していたはずだ。
理由は単純。
明らかに強いキャラをsage続けたら自分が雑魚だと触れ回るようなものだからだ。
元来「強さを理解できる自分は偉い」というマウンティングでもあるので、
プライドを損なう状況になるとあれば当然拳は引っ込めるだろう。
何故今回の論争が収まらないのかといえば、
鍾離を使う事による圧倒的なアドバンテージを提示出来なかったのが理由だと思う。
こういう記事を書くにあたって各所の”民意”を漁っているが、
「エアプはこの動画見ろよwww」的な”答え合わせ”が浸透していない気がする。
「見れば分かる錦の御旗」というのはカジュアル層に重要だ。
ウェンティは説明するまでもないし、クレー/タルタリヤは圧倒的な火力を持っている。
鍾離はダメージベースで見るとDPSや反応分の見劣りをしてしまうだろう。
まぁそれだけなら「一発芸しか見てないエアプ」となじる事もできるが、
螺旋しかり秘境周回しかり、従来のキャラは接待ステージもかなり多い。
仮想敵が有利属性になる事で使用感での好印象も増すだろう。
「廃人の動画参考にして自分でも使ったら無凸無課金でも強かったわw」
つまり、これが出来れば世間では強いという事になる。
いかにも”浅い”と思う人も居るかもしれないが、悪い事ではない。
そういった納得感はとても気持ちがいいものだ。
が、鍾離は現状「鍾離でなければ」というコンテンツが存在しないように思う。
ウィークリーボス関係や岩パでの螺旋攻略、鉱石掘りあたりだろうか?
一目見て鍾離ガチャを回させるインパクトまでには至っていないはず。
そうなれば当然プレゼンでは多角的に優秀さをアピールせざるをえない。
鍾離はサポート性能を褒め称えるという方向にシフトしていると思う。
この辺で一旦情報を整理しよう。
まず鍾離は何をさせたいキャラだったのか?
今回の運営によるメッセージもここに集約されている。
要約すると…
・鍾離はサポートキャラクター(タンク)としてデザインしている。
・その為に高強度+効果時間の長いシールドを用意した。
・ultは元素反応に頼らず優秀な妨害を行えるものにした。
・鍾離によってプレイヤーの戦闘による被害は減っている。
・でも不評は把握しているし、調整案も練っている。
・星座2にバグがあるのでそこは絶対に修正する。
これが鍾離のコンセプトだ。
それに対しての反応が芳しくない理由は何故だろう?
考えてみよう。
個人的な結論になるが、
鍾離は現状サポートとして優秀とは言い難いと思う。
というのもサポート能力が星座凸効果に依存しすぎている。
星4キャラなら最悪それでも良いが星5キャラである。
妨害能力は4凸、回復に至っては完凸を求められる。
理論値で言えば凸の難易度は評価に関係しないとは思うが、
実用面で考えればコスパも強さに含まれると僕は思う。
そして、優秀なサポートの条件とは何なのか?
火力バフ・防御デバフ・回復・妨害・元素反応において特筆すべき能力だろう。
一芸に秀でつつ、これらを二種類~三種類を併せ持つキャラが多い。
ちなみに現状ではシールドはそれらと同列に並べる事は難しいと思う。
何故かと言えば、事後回復で済むからだ。
この手のシールドは事前に貼る事で被弾自体を無効化し、
回復の手間を省いたり、強引に攻撃する事でDPSの向上を図っている。
しかし常時シールドを展開出来るとはいえ20秒毎に貼り直すのは手間だ。
個人的には喰らってから回復スキルを使っても別に良いと思う。
勿論辛炎やディオナのように反応起点として優秀なスキルの”ついでに”
シールドが付与されるのであれば話は変わってくる。
鍾離もシールド展開の倍率がLv9で3~400%くらいあれば神だったかも。
※レザーのスキルLv9ホールドが500%。
また、高難易度の螺旋等では被ダメージが大きすぎてゴリ押しは大変だ。
ガチガチのHP盛り鍾離ならば中々に耐えるだろうが、
“ついでのシールド”ではすぐに破壊されてしまうだろう。
なので見える攻撃は結局避ける事になる。
そしてシールドを貼った上でうっかり減ったHPを回復するという流れ。
HPが3~4割になってからの回復で十分回るというのが原神だろう。
個人的には20%でもデフォルトで回復があれば一気に評価は違ったと思う。
上手いプレイヤーがディオナやベネットのみで回復を行うように、
被弾率の少ないプレイヤーなら鍾離だけで軽い事故はケアできた筈。
6凸しなきゃ回復自体が存在しないのは重すぎた。
キャラ毎にコンセプトがあるため、当然同一軸の互換性を持っている訳ではない。
だが、サポート役として考える向きが強まった事でディオナとの比較が増えている。
ディオナは素で回復+氷付与フィールド生成のultを持っている。
5~6回回復と氷付与を行うので溶解や超電導維持、凍結ハメもできる。
攻撃デバフも付いているので敵の火力が跳ね上がる高難易度では効いてくるだろう。
シールドは十分な強度のものを貼った上で、更に氷属性に対し2.5倍の強度になる。
しかも5段攻撃が付随しているので祭礼弓があれば無凸でもシールドをほぼ維持できる。
シールド中は移動速度/スタミナ消費軽減効果があるのも優秀。
完凸ではultで熟知+200バフも付いて火力面のサポートもできる。
本体火力が絶無であるが故に割り切ってHPガン振り運用もしやすい。
ちなみに12層でディオナの氷シールド評価が高いのは強度もあるが、
視認性の悪い氷ギミックを受けられるのが重要だと思っている。
そして先遣隊の雷増幅を割るのに必要な氷役にもなる。
マップギミック/敵ギミック/回復/移動補助を満たす事ができる。
居ない人は氷耐性持ちだらけの秘境にガイアを出す事になると思うと優秀すぎる。
要するに螺旋はディオナ接待コンテンツなのだ。
勿論、結局は好きなキャラで気持ちよく戦って終わりだ。
これにしたって螺旋で地獄を見ている人にとっての救済に過ぎない。
が、螺旋は報酬が非常に美味しく、他に同列の高難易度コンテンツがない。
無/微課金のようにリソースが不足しやすいプレイヤー程相対的なうまみも大きい。
育成計画を立てつつ隔週で地獄を見たくない人にとって、
キャラの強弱、攻略適性、入手/育成コスパというのは目を逸らせない要素だろう。
そういった風潮が渦巻いている中で、
生存面の補強も要求される場面においてこれだけ有効なキャラが先行実装されている。
タルタリヤのおまけで入手出来るキャラとしては凝光共々強すぎたのだ。
ディオナは鍾離のシールド役としての新鮮味をスポイルしてしまった。
だからこそシールド以外の能力も求められてしまうのだろう。
鍾離は現実的に運用するならHPガン振りにされていなかった筈。
ultもシールドもHPスケールなのだが、スケールされても火力は落ちる。
星5槍があればultのダメージはそれでも星4鍾離並だが、
サポート役に星5武器を渡す事自体が重いのも忘れてはいけない。
4凸ultなら石化が6秒なので本当に石化拘束だけならそれでもいいが、
折角恵まれた高倍率のultなので火力は維持したいだろう。
つまり、普遍的な鍾離のロールはnuker兼シールド付与担当という事だ。
これは解禁日に考察した評価と全く変わっていない。
結局「文句言ってる人はどうしてたら納得したの?」という話で言えば、
個人的には1/4/6凸効果はデフォルトで持っていて良かったと思う。
そうすればウェンティ程とは言わずとも、
誰が使っても強いサポート役として七神の面子も保てたはず。
その上で星座凸効果でDPS面の向上を見込んでメイン運用も出来れば、
鍾離に愛を注いだ人が「特別な鍾離」を使えたのではと思っている。
しかし、運営の説明と現実的な運用が噛み合ってないのは気になるが、
ユーザーが現状見出した鍾離の使い方自体は決して間違っていないと思う。
ポジティブな話だと鍾離は逆飛びメインDPSとの運用も話題になっている。
前回悠久4も有りなのか?と言っていた部分の発展型だ。
長時間結晶反応を連打して結晶シールドを維持できるので、
メインDPSは通常/重撃を多用する事もあってかなり面白いと言える。
シールド系のボーナスはキャラチェンジで効果が消える等の話を聞くが、
この場合は問題なく発揮されるだろうし、岩キャラの面目躍如だろう。
星4武器主体の貧者はult性能も強化しないとバーストが物足りない訳だが、
廃課金勢は過剰なオーバーキルを防ぎつつ通常DPSの向上を見込めるはず。
鍾離自身の聖遺物の自由度も損なわれていないのが良い所。
普通に考えるとタルタリヤと鍾離の相性は良くないのだが、
そういった運用であれば完凸タルタリヤ等にとっては相当な恩恵があると思う。
通常/重撃を問わず、バフのクールタイムが存在しない点も優秀だ。
四風を持った法器キャラなんかにも効果があるはず。
シールドでカスダメを無視できるという事で紀行剣を持ったレザーにも良い。
勿論、無工剣であれば火力が跳ね上がる。
元素反応的には4属性主体のPTに鍾離を入れるのはやはり重いのだが、
攻略対象次第では鍾離をバフ役にする余地も出てくるだろう。
上述の通り複数の役割を兼任出来る事に意味があるので、
特に完凸したような人は自信を持ってサポートとして推せるはず。
しかし、こういった話をする上で改めて思った事がある。
原神、星座/精錬凸数と星5武器の所持数でキャラ評価が動きすぎ。
各々が見ている真実が他人にとっての真実ではないので、
自分の物差しで他人と殴り合えば一生分かり合える日は来ない。
そもそもsnsはマウンティングバトル会場なので今に始まった事ではないが…。
議論の際に凸数や武器は明記した方が余計な争いは減ると思う。
それによって更に不毛なマウントが起きる可能性はあるが、
どういうスタンスで話をしているのかは遥かに分かりやすくなるはず。
例えば僕のディオナ論に関して言えば祭礼弓を持ってない場合は話が変わる。
12層で香菱を使っているのはレザーの武器が紀行で物理バフ杯も引けず、
火力が足りていないので香菱で補強せざるをえないからだ。
キャラと武器には財力が必要だし、聖遺物は運も重要になる。
要は、全く同じ環境でプレイしてる人間はほぼ居ないという事だ。
更に言えば、性能の話をしてる時は性能の話だけをした方が健全だし、
キャラ愛の話をする時には性能の事を含むべきではないと思う。
こういう話をする時に評価軸を混在させると碌な事にならない。
しかし、これから鍾離回りの展開がどうなるのかは全く読めない。
調整案の模索という匂わせが行われた事で議論はしばらく収まらないだろう。
星座効果も含めてまるごとリワークするのは難しいと思うのだが、
そうなると無難にちょっと倍率増やしただけでは効果が薄いように思う。
鍾離の話からは逸れてしまうが、
これからの追加キャラは星座効果をもっと考えた方が良いと思う。
何が一番の失敗だったのかなと言えば星座効果だったのではないだろうか?
後は槍という武器が純然たるハズレ武器になっている事が気になるかも。
メインDPS適性を考えると両手剣と法器が優秀すぎるのもあるし、
魈は槍キャラとしてぶっ壊れなんていう話も耳にするが、
それ以前に共通武器として槍の地位が向上して良い気がしている。
槍は星4武器のバリエーションが少なく、祭礼も存在しない。
西風が攻撃44属なのは良い事なのだが、やはり寂しい。
通常攻撃も振りは速いが段数が多いので結果DPSが低まりがち。
重撃も突進系で威力も使用感もイマイチ。
片手剣も槍と同じくらいあえて片手剣である恩恵は少ないが、
サポート向けキャラの多さに加えて祭礼があるのがポイント。
重撃が使いやすいキャラも多いので使用感は悪くない。
弓は狙い撃ちが無料で撃てる長射程属性攻撃としての意味がある。
通常攻撃が単体ヒットであるが故に現状DPS運用は逆風だが、
遠くに沸いたシールド中のトリックフラワーを狙ったり、
先遣隊の増幅を安全に解除する立ち回り面でのメリットがある。
星4武器のバリエーションもかなり豊富。
武器もキャラコンセプトの一部だと思うのだが、
それだけに現状の武器格差は埋まって欲しいなというところ。
などという事を書いていて思うのは、
こういった強化の方向性での文言に対しての
「アッパー調整を続けるとインフレゲーになる」
という反論について。
とりあえずこれを字幕付きで見て欲しい。
恐らくこのブログを好んで読んでくれる人にとっては興味深い内容だろう。
まぁあくまで動画は一つの解釈でしかないのだが、
バフはゲームを壊す事を目的としている訳ではないという事だ。
バフもナーフもゲームをより楽しくする為に行われるのが理想であって、
インフレを起こしゲームが崩壊するのは調整能力の問題とも言える。
当然ナーフスパイラルで魅力を損なえばそれも調整の失敗だ。
運営のメッセージに含まれている文言として、
「ゲーム体験と戦略の多様化」がキャラクターの追加意図に含まれている。
鍾離に関する紛糾もそこにあって、
開発コンセプトにユーザーと開発者の意識差があったんだと思う。
運営の言う鍾離の運用は目新しさや魅力が薄かったという事だ。
一方で上述の結晶生成運用はとても魅力的なものに感じる。
「これは確かに強いんじゃないか?逆飛び集めてみるか?」
と育成計画を練り直そうとする人も居るんじゃないだろうか。
これは現状間違いなく鍾離だけが出来るオンリーワンの運用で、
プレイングの幅が広がる要素として確実に評価される気がする。
折角鍾離を引けた人がもしここまで見ているのであれば、
是非そういった運用にも挑戦してみて欲しい。
槍の地位向上にも似たことが言えて、例えば槍の倍率が両手剣並になったとする。
しかし実際には誰もがディルックやレザーになれる訳ではない。
これは元来のコンセプトの差が理由。
そして当然、物理強化は他の要素とのトレードオフだ。
香菱がわざわざ物理特化にする意味合いは薄いだろう。
しかし、それでもキャラの所持状況次第では有効に働く人が居るかもしれない。
こういう可能性や選択肢が増える事には夢があると思う。
個人的にはそういった挑戦や開拓こそが真のキャラ愛だと思っている。
配られたカードで何とかしようとする様はゲームの楽しみそのものだろう。
例え成果や実際の運用面での汎用性に乏しくとも、
挑戦して情報を共有しようとする有志には多大な敬意が払われる。
否定的な印象を持つ人にまで響くかは様々な要素が絡むが、
頭ごなしに強い弱いと抽象的な議論を繰り返すのではなく、
建設的な話を進められれば自ずと各層の上澄みには情報が共有されると思う。
これだけ書いておいて僕は今回のガチャを見送っているのだが、
タルタリヤの際に記事を書いたように、
今後また僕が魅力に感じるキャラが引けた際にはそうありたいと思った。