既にX(旧:Twitter)にも書いたことを簡素ながら一旦書き留めておこうという記事。
ポケットペアの新作「パルワールド」がメガヒットを達成している。
連日100万単位で販売数を積み上げていて同接も歴代最強クラスのゲームという事で、まさに金の鉱脈を引き当てた……いや作り上げたんだなという感じ。
僕としても小規模開発のスタジオからこれほどのゲームを出したのは凄いとしか言いようがなく、その内容も色々と物議を醸すものがありながらも「上手くやっている」と思う。
会社代表のnoteで語られている通り、奇跡の積み重ねで生まれた現象だと思うしチャンスを逃さなかったのは尊敬しかない。
一方で光あれば影も差すといった感じで、巷ではポケモン界隈からの苦々しい反応が目立つ。
そんな中で僕が気になったのはパクリがどうのこうのという話ではなく、同社の前前作であるクラフトピアについてだ。
このゲームもパルワールドと同じくアーリーアクセス対象のゲームであり、段階としても「正式サービス直前に少し早く触れますよ」というものではなく未完成の状態に開発資金援助を募るといった方向性が強いと思う。
3年以上アーリー状態が続いている中で(初期は特に)精力的なアップデートがされていて、自動化を利用して工場を作ったり仕様を上手く使って(オブラートに包んだ表現)ハチャメチャな遊び方ができていたという事で初期はそれなりに話題になり、以降もサンドボックスとしての自由度に魅力を感じた人が居着いていたと思う。
そんな中、去年の夏にシームレスアップデート(要するにオープンワールド化)が行われてガラッとゲーム性が変わった。
ある意味では作り直しとも言えるようなもので、一部アイテムやキャラメイクは引き継げるものの、旧ワールド(で自分が構築した設備なども含めて)互換性がなく実質的にニューゲームといったところ。
旧版に差し戻すことはできるものの、そちらのアプデは実質的に終了したと言っても良いと思う。
そしてシームレス版の内容だが、やった事は凄い一方でまだ大風呂敷を広げた「だけ」の段階で、これまで2年以上掛けてアプデをしてきたのと同じくまた今後もアプデを続けて遊べるようにしていく必要があるといった完成度だった。
それ自体に関してはそれこそアーリーアクセスなのだから開発継続をしていけば何も問題ないと思うのだが、そんな中で発売されたのがパルワールドという訳だ。
冒頭の会社代表noteを見ても分かる通り、クラフトピアに関して記事中での言及は「クラフトピアのおかげでパルワールドがある」「クラフトピアの売上10億は全部使った」「開発チームは残してあるが代表として両立しつつ関わるのは難しい」といったもので、流石にこの内容を見てクラフトピアに明るい展望を見出すのは厳しいんじゃないかと思う。
そもそも論で言ったらアーリーアクセスという名の先行投資をしている人間に対して説明はあって然るべきだし、資金が適正に使われているか不安になってもおかしくないんじゃないの?という感じ。
noteのコメントにも言及があるが、クラフトピアのアーリーアクセスでかき集めた資金を別タイトルにつぎ込むというのはお世辞にも褒められた事ではない。
無知ながら法的に大丈夫なのか?という疑問もあるのだが、そもそも心情的に納得しづらいし美談や武勇伝のように語るのはもってのほかだと思う。
クラフトピアの売上全てがパルワールドに使われたなんて事は勿論思っていないし、事実としてクラフトピアのアップデートも平行して行われていたのだからある程度の言い訳は立つはずなのだが、言い訳をするのではなく開き直って「過去のゲーム」と受け取れるような取扱いがなされているのは疑問。

で、これは貧すれば鈍するを地で行く僕が勝手にキレているだけなのかと言うと当然そんな事はない。
直近のレビューの不満は「パルワールドに金使ってたんかい!」とか「クラフトピアは踏み台って事?」といったような先行きを不安視するものがほとんど。
まずシームレスアップデート自体が大きなゲーム性の変更を伴ったため賛否両論であり、そういった人も納得できるようなアップデートを継続して信用を回復しないといけない中での出来事なので好意的に捉えられる人は多くはない。
バグ取りメインのアプデは今後も続いていくのだろうが、このゲームが完成する日は来ないという危惧を抱くのが普通と言っても良いんじゃないだろうか?
事実、商売として考えれば方策がダーティーだろうとチャンスを掴んだのであればそちらに注力した方が良い訳で、僕が舵取りをする立場だったとしても「とりあえずパルワールドに全力で」となる事自体は不思議ではない。
言ってしまえば、パルワールドが成功した事によって皮肉にも希望が絶たれたような形になっている気もする。
僕としてはそういう状況でもパルワールドの開発に移行する為に返金なり新作アクセスキーなりが配られれば(それでも怒る人は多いと思うが)ある程度の義理は通しているんじゃないかという気がするが、当然そういう事もない。
どころか前述の通り軽視と取られても仕方のないようなnote記事もあるし、ポケモン云々が関係ないところで僕としての印象はあまり良くないなぁ……と思ってしまう。
ゲームとしては多分アーリー価格分くらいの元は取っているし、パルワールドで(これだけヒットしたので流石にそんな事はないと思うが)またクラフトピアのような事が起きても同じくユーザー的にはそれなりに元は取れたんじゃないかという反応はありそう。
何というかアレがダメこれがダメという訳ではなく、そこそこ情状酌量の余地もあるし言い訳も立つ状態で開き直ったnoteを公開した事がよく無かったんじゃないかなぁ……というのが今回の一連の騒動に関する感想。
ポケモンに明るくないのでそちらに関しては言及できないが、クラフトピアに関してはいっちょ噛みどころか普通に購入してプレイしているので言及する権利はあると思う。
さておき、冒頭に書いた通りゲームとしての成功は間違いなく、僕としてもそこは称えたいので上手く会社には身の振り方を考えつつ運営開発を継続していって欲しいところである。
経営判断的にはまずありえないと思うが、パルワールドの売上を考えればクラフトピアから持ってきた開発費なんて余裕でペイできると思うし、開発スタッフの増強を伴ってそちらもアプデされる可能性もなくはないしね……。
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