前回は最近のプレイングについての記事を書きました。
今回はざっくり追加モードの雑感を書きたいと思います。

まずは黙示録モード。
Civ6GSの目玉要素である災害を特に強化するモードです。

読んでの通り常にプレイヤーは災害に晒されるとんでもないモードです。

災害が頻発するという事は、裏を返せば被害タイルが分かりやすい氾濫や噴火は修復の手間はあるもののタイル強化として優秀です。
ですが砂嵐・竜巻・ハリケーン・ブリザードなどは進路がランダムな上広域に渡って区域を破壊される可能性が高いため厄介でしょう。
通常の高災害レベルと同じく、区域は破壊されづらい位置に置いて労働者を1回残してタイル修復用に残しておく必要があります。
やむを得ず被災しやすいタイルに区域を大量配置する必要がある都市は梁で守る事も考えましょう。

終末の予言者を使う事で意図して災害を起こす事も可能ですが、どうにも預言者を使った災害では出力増加はほぼ見込めない模様。
戦争中であれば敵国でも災害を起こせるため、AIが氾濫原や火山の近くに都市を置いている場合は都市防壁に大ダメージを狙う事は可能だと思います。
ただ実際にはわざわざそれをメインにするモードではありません。
それだけなら災害レベル4を更に強化した程度です。

そう、最大の追加要素は気候変動フェーズ6以降の大災害です。

世界中に隕石が降り注ぎ、直撃した都市は問答無用で破壊されます。
なんと通常は破壊不能である首都すらも破壊されます。


更には定期的に太陽フレアで各地の建造物も破壊されます。
普通に高難易度を遊ぶ場合、二酸化炭素回収で気候変動を抑えるより先にAIの過剰な発電所建造によって最終フェーズに突入すると思います。
当然こうなると宇宙に逃げる事は難しくなりますし、地獄と化した星で宗教や文化、外交勝利を目指す事が多い気がします。
(各地で大災害が起きるため支援要請コンペを行いやすい事からただでさえ強い外交勝利が更に強い)
基本的に災害の対処であったり、失った都市を即再建する判断などはプレイヤーに一日の長があるためプレイヤー有利のモードでしょう。
極めてインパクトの強いモードですが、フラストレーションを受ける事は当然多いため、好き嫌いは分かれると思います。
前回の記事で書いた通り僕は速度オンライン+災害レベル0で遊んでいるため正直相性が悪いモードです。
逆に普段レベル4でタイル強化を眺めて楽しんでいる人には変わり種として受け入れられる気はします。

次は秘密結社モード。

それぞれ条件を満たす事で招待状が届き、強烈な効果を持った結社に入信する事ができます。
通常モードと比較すると純粋なアッパー調整バージョンです。
招待状が届いた瞬間に総督ptが増えるため、通常プレイより総督ptが早期に4pt多く貰えることからセオリーも異なります。
最速でピンガラを取るのは当然としても、アマニを早期に取得できるため第一遭遇を行えた都市国家に配置する事で太古から宗主国を狙えます。
梁を早めに取って都市整備を早める事もできますし、政治哲学解禁前にピンガラをLv4にすることも可能でしょう。
ちなみに結社の発見条件はモード説明にある通りですが、発見率は100%ではありません。
内部的にはそのゲーム中最速で条件を満たした者が高確率で遭遇し、以降は遭遇率がどんどん下がるようです。
特定の結社を狙ってプレイしたい場合に目当ての結社をなかなか発見できない場合は既に入信している他国の外交的視野を稼いで遭遇する必要があるでしょう。
(とはいえ結社は序盤から影響力が高いため妥協して別の結社を選んだ方が普通は楽できる)
ということで前置きはほどほどに結社詳細を。

ミネルヴァの梟(イルミナティ)は極めて汎用性の高い結社。
太古からビッグベンが建っていて産業時代に追加で紫禁城が貰えると考えれば内政ボーナスは言うまでもないでしょう。
政策スロット自体いくらあっても困りませんが、その中でも特に中盤まで余裕のない経済とワイルドカードが増えることで内政の幅が広がります。

中世に解禁される黄金の宝物庫は銀行互換のUBで、都市に港がある場合追加の交易路が得られます。
沿岸都市が多い場合はCiv6初期のイギリスのように1都市2本の交易路を使用する事も可能でしょう。
ただその為に区域数を1つ使う事を考えると沿岸都市に港を置いた後にハブを追加するのは考えもの。
商業ハブには港に対する大きな隣接ボーナスがあるため劇場の代わりにハブを置いて文化を確保するという考え方もあるかもしれません。
が、元々銀行は優先度の高い建造物ではないこともあり、強力なUBとは言えないと思います。
なお、他の結社UBにも言えますが、文明UBと結社UBが同じ対象に掛かっている場合なんと両方作ることが可能です。
最初はバグか?と思ったのですが、UBを置換してしまう訳にも行かなかったという事でしょう。
まぁそれなら同居不可にしても良い気はしますが、その場合も結社UBか文明UBのどちらかが死んでしまうのは同じですしね。
宝物庫の場合はオスマンのグランドバザールと同居が可能です。
また、マリであればUAで宝物庫も信仰で気楽に購入できます。
これらの文明でミネルヴァを選ぶ際はメリットが増えるでしょう。
産業時代以降はスパイ関係のボーナスが入り、元々スパイはゴールド奪取の為に奔走するため意識せずとも恩恵を得ることができるでしょう。
あえて言うなら他国で練度を上げて防諜向きに育ったスパイを自国に配置するため防諜→攻撃スパイよりも攻撃→防諜スパイでボーナスを貰えた方が美しかったかも。
使用感としては他の結社に比べると強烈な一芸はないものの対応力が高い結社です。
目当ての結社に中々遭遇できない場合に妥協で選ぶ筆頭でもあります。
政策カードの使い方が生命線という意味ではCiv6の理解度を問われる結社かもしれません。
「強い訳ではないがミネルヴァは楽しい」という評価が出来る人はCiv6慣れしたプレイヤーだと思います。

次はヘルメス教団(黄金の夜明け団)。
入信した瞬間に世界各地のレイラインが可視化できるようになります。
レイラインは政府複合施設のように区域への隣接ボーナスを持っています。

錬金術教会は工業系の偉人ptにボーナスが得られ、アラビアであればマドラサとの同居が可能です。

産業時代以降はそのプレイで獲得した偉人に応じてレイライン自体の出力が増加し続け、最終的には莫大な出力を得る事が可能です。
最終的な科学/文化出力に関しては最強でしょう。
ただ実用面では他の結社と比較すると欠点があまりにも多く、正直言って高難易度では使いづらい結社です。
まず入信前に自分の立地がヘルメスに向いているかどうかの判別ができません。
加えて入信が自然遺産遭遇なので立地によっては周囲に自然遺産がそもそもない事もあります。
レイライン自体も隣接ボーナスが高いとは言えず、戦略資源と同じく該当タイルに区域を置けなくなってしまいます。
タイル改善もできない上、レイラインの出力強化もゲーム中盤以降になるため、序盤はただのお邪魔タイルになるでしょう。
純粋な内政ボーナスも無いため、内政が立ち遅れる事で偉人獲得も遅れてしまう。
そうすると他文明との偉人レースに負けてヘルメスの良い部分を終盤発揮できなくなる訳です。
一方で結社モードはAIも当然結社の恩恵に肖る訳ですが、高難易度AIは暴力的な出力ボーナスで大量に偉人を確保してきます。
元々内政の強いAIがヘルメスを選択した場合は凶悪な出力を発揮する事も珍しくなく、基本はAI用結社と考えた方が良いように思います。

次は虚無の歌い手(クトゥルフ神話)。

モニュメント互換のオベリスクは信仰+4に加えてフリーの傑作スロットが付いています。
無条件でモニュメントを得られるローマや傑作スロットが不足しやすいロシアは勿論、パンテオン取得レースにも活躍するでしょう。
そして中世で信仰の20%が科学/文化に加算されるようになります。
似た特性をもつエチオピアであれば最大35%の信仰変換が行えます。

産業時代で解禁されるカルト教団員はインディーズロックバンドの如く大量に敵都市へ送り込むことで敵都市を離反させる事が可能です。
1回あたり-10ですが都市を包囲する事で最大1ターンあたり-60、教団員のチャージが1であれば消費して消えた瞬間に追加の教団員を4人送れば1ターンに忠誠を-100し首都すら離反させる事も可能です。
もちろん前線都市であれば忠誠回復が追いつかないため包囲して信徒増殖を連打するだけでも離反します。
インディーズバンドと組み合わせるのも良いでしょう。
更には通常モンサンミシェルを建造したりクメールでもなければ量産に苦労する遺物を手軽に作れるのも強い。
地味に宗教ユニットと違い軍事ユニットに踏み潰されるだけでも遺物を得られるのもポイント。
それをメインに文化勝利を狙う場合は聖骨箱を使ってみたくなるでしょうし、総じて宗教主体の文明で使うことがコンセプトになっている結社でしょう。
僕は前回の記事で書いたように、現在のCiv6は宗教創始を行いつつ外交勝利を狙うのが強いと思っています。
そのプレイスタイルと抜群に相性の良い結社であり、宗教軸プレイの欠点である中盤の科学/文化出力を完璧にフォローしてくれます。
上述の説明文を読むとカルト教団員がメインのようですが、そんな事はなく完全に信仰変換が本体です。
というのも、Civ6には人口による区域数制限というものがあるため通常は都市の出力が序盤は縛られています。
Civ5のようにあれもこれも早期から出力したいとは行かない訳ですね。
しかし虚無を選んで労働倫理を取ると(最悪取らなくてもいい)聖地が科学と文化とハンマーも出力するようになる訳です。
キャンパスは元々山岳地帯や環礁が密集していなければ大規模な隣接ボーナスは得られず、劇場も本気を出すのは遺産が増えてくる中盤以降です。
聖典による2桁を越える隣接ボーナスや信仰目当ての聖地建造物+シムルタネウムで莫大な信仰を得ながらキャンパスを置いたのに迫る科学を得られると思えば破格にも程があります。
そのまま劇場を増やしつつ、科学を水増ししたければ創始者の信仰で異文化対話を選ぶ事も可能です。
通常モードの弱点である中盤の科学出力の弱さが古典だけに狭まるため、プレイングの安定感もあると思います。
内政軸のプレイであればミネルヴァの汎用性を上回る効果を発揮するため、結社モードの目玉と言えるでしょう。
カルト教団員はロックバンドと違い締め出しもできないため、スパイ以外で終盤相手の足を引っ張る手段として使えるのも面白いポイント。
勝つために積極的に貢献する要素ではないですが、アリエノールの特性とも相性が良いでしょう。
特性上聖地を置くだけでも強いため、AIが取った際に凶悪な結社でもあります。
AIはカルト教団員を他国に出張させない所は救いですが、ヘルメスAIと同じく文化勝利を受ける可能性が高くなります。
結社モードの共通事項ではありますが、通常プレイ以上に劇場を置くなり都市を奪うなり傑作を買うなりで文化勝利を防ぎましょう。
これらに加えて同盟相手がロックバンドを先行解禁してしまえば詰む事すらあるため、中盤からは同盟先を考える必要もあると思います。

最後は緋の同盟(吸血鬼伝説)。
見ての通りUUである吸血鬼に全振りした結社です。

自文明が作ったユニットの中で最も高い戦闘力をコピーし、蛮族や文明のユニットが周囲で死亡する事により追加の戦闘力ボーナスを得られます。
海洋ユニットや軍団、艦隊による追加戦闘力も計算するため、ツリー進行度に対して戦闘力の高いガレー船やキャラベル船、李舜臣による早期の装甲艦、サンタ・クルスによる大艦隊化を得た場合絶大な戦闘力で敵ユニットを蹂躙する事ができるでしょう。

ロボットの戦闘力は反映されないため最終的にはこのくらいの戦闘力になると思います。
戦闘で敗北してもHP1で復活する特性を活かしてゾンビアタックも可能です。
(ただし復活したターンに連続して死亡すると復活できず消滅する点に注意)
全時代の大将軍からボーナスを得られるため、忠誠心系の大将軍なんかを吸血鬼用として再就職させられるのも面白い点。
新規で増えた吸血鬼の蛮族育成も行いたい場合はブーディカが良い相棒になるでしょう。

更に吸血鬼は戦争だけではなく、城を使った内政のサポートを行う事も可能です。
説明にある通り隣接タイルの区域を除いた出力を合算した最強タイルを生成できるため、絶大な食料やハンマーを生成できます。

周囲6タイルに鉱山や製材所を置いてから城を生成すればハンマーを得られますし、農場を敷き詰めておけば食料が得られます。
城の出力は生成した時点で固定されるため、区域を敷き詰める前に土地を改善して城を置くことで良質な城を作る事ができるでしょう。
撤去も簡単なので終盤の改善強化で更なる高出力が狙える場合は移設も可能です。
他の結社と比較すると唯一の直接的な軍事結社であり、中世の段階から絶大な出力ボーナスを得られる事を考えれば面白い結社です。
下手しなくてもヘルメスより区域パズルが楽しい結社だと思います。
特に首都自体に城を置こうとする場合は区域でタイルが埋まりやすいため、プレイングが問われる事になるでしょう。
弱点としてはやはり科学や文化に関係したボーナスが一切無い事です。
ピンガラと城を組み合わせて人口での科学文化を出す事は可能ですが、住宅や快適性の制限がある事は否めません。
敵AIが他結社で絶大な科学文化を出力する以上、大きな差が付く前に都市数によって差を埋める必要があると思います。
吸血鬼の優位によって他文明を叩きのめすというよりは他文明の優位を吸血鬼と生産力で埋める結社でしょう。
自力で都市出しや宗教創始を行うよりは、序盤からキャンパスをスパムしユニットの世代差が付く事を出来るだけ防ぐ必要があると思います。
吸血鬼も移動力の低さを補う為に大将軍が欲しくなりますし、軍事寄りだからこそシビアな内政が求められます。
文明としてはやはり移動力を補いつつ大司令官のボーナスまで狙える大コロンビアは極端に相性が良い文明だと思います。
ガレー船をコピーしたエースの吸血鬼と弓ラッシュを組み合わせて剣士が出る前に隣国を抑える事も可能でしょう。
他にも追加総督ptによりイブラヒムを普段以上に使いやすいオスマンや軍団解禁の速いズールー、意外な所で艦隊の解禁が速いスペイン等も面白い。
結局のところ戦争屋も内政ボーナスを得た方が立ち回りやすいとは思いますが、城パズルにしろ育成にしろロマン要素が詰まった結社だと思います。
こうして各結社を見比べてみると、やはり勝利に直結したボーナスが多い虚無の歌い手と欠陥だらけのヘルメスが強く印象に残ります。
ミネルヴァや緋の同盟はCiv6に慣れた人なら虚無が取れない場合でも十分AIに立ち向かえる可能性を秘めた結社という感じです。
上述の通り太古~古典での影響力が高い結社が存在することから悠長に外交的視野を稼いで中世や産業時代に目当ての結社入りを待ったりできない場合も多いです。
ゲームバランスも明確にインフレするため、最初狂ったように熱中して満足したら頻度を落とすモードだと思いますが、追加モードでは一番楽しいモードでした。

最後はツリーシャッフルモード。
多くを説明する必要もなく運ゲー要素の強いモードです。

見ての通り、技術(や制度)の位置だけではなく、繋がり方も順番も完全にシャッフルされています。
未来技術のように解禁するまでどこに何があるかすらも不明です。
通常プレイと違い、技術のボトルネックも生まれやすいためロスが多く発生するでしょう。
ブーストを得た技術や制度の位置は開示されるため、戦略的にツリーを進めるのならば普段以上にブーストの価値は高いでしょう。
しかしブースト条件はシヴィロペディアでは見れるもののツリーでは直接確認できません。
このモードでひらめきをサクサク確保できるということはゲームに慣れているという事ですね。
ゲームの性質上、こういった不測の事態に強い文明はそもそも強文明という事もあり、高難易度で快適にシャッフルによるランダム要素も楽しみたい場合は強文明を選択する事を薦めます。
これらが現存するCiv6の特殊モードになりますが、それぞれのモードは同居させる事が可能です。
黙示録+秘密結社+ツリーシャッフルであればとことんランダム要素に振り回されつつ、ヘマをすればヘルメスや虚無で先行したAIによって環境を破壊され、降り注ぐ隕石に全てを台無しにされる地獄を楽しめると思います。
私は遠慮しておきます。
しかし、誰しも個々のモードに好き嫌いが出ると思うのですが、個人的にこういうモードを追加してくれるのは好印象です。
結社モードに関しては常用している方も居ると思うのですが、総じて言えば気分転換に遊ぶ”バカゲー”モードなのかなと。
通常モードだけでも飽きずに繰り返し遊べるデザインになってきましたし、こういう変わり種を挟む事でマンネリ化も防げると思います。
シーズンパスの目玉として文明だけでなく今後もこういったモードも追加されていくのだとしたら楽しみです。
次回はこれらを踏まえた上での文明評価をしてみたいと思います。
公平性のある話をしようとするとボロが出そうなので主観ありきの話になると思います。
お楽しみに。
最近civ6を始めようやく仕様を理解しだした頃ですが、この記事を読ませていただくことでさらに理解が深まりました。非常に勉強になる記事でした。ありがとうございました。
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