プリコネの思い出

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一周年から触り始めたプリコネをついぞ引退するという事で、色々と学んだ事や思った事を気持ちの整理も兼ねて書き散らしてみようと思う。

そもそも何故引退するのかといえばモチベーションが無くなったのが原因で、一概に「アプデでクソゲー化した!」だの「ガチャで爆死した!」だの、巷でよく聞くようなセンセーショナルな理由ではないかもしれない。

プレイの度合いとしてはクラバトはサボらず殴っていたし、クランに不満を感じたら素直に上のクランへ移る事で最終的にはそれなりの期間クラバト2桁順位のクランでやらせて貰っていたし、アリーナも3時直前に張り付きはしないものの順位1桁維持狙いでそこそこ真面目にやっていたと思う。

イベントストーリーなんかもある程度読んでいるし、メインストーリーに関しては第一部は特に楽しませて貰ったし、勿論キャラストにも目を通しているのでそれなりに熱意を注いでいたのではなかろうか。

ある程度気を遣おうとは思うものの、そういう人間が引退するのだから必然的に開発や運営方針に対する批判的な発言が飛び出して来てしまうので現役でプリコネを楽しんでいる人は特に読む事はないと思う。

といっても僕の記事を読みに来る人は滅多に更新されないこのブログなんかより僕の垂れ流すツイートを目にしている人が多い気がするので今更な話ではある。

・エンドコンテンツ

勿論エンドコンテンツと言っても本来は所謂攻略型のゲーム廃人が好むものからコミュニケーションを重視したりファッションに凝る層に向けてのものまで幅広い定義があると思うのだが、ここで言うのは難関を踏破する事で達成感を求める層に向けての話としたい。

シンプルに不満を抱いていたのはエンドコンテンツが追加されない事だった。

厳密に言えばルナの塔の次元断層であったり、どういう形式になるのかも不明だがアドベンチャーというコンテンツが実装予定だった。

しかし困った事に開発告知から今に至るまで追加される事はなかった。

というかそもそもの話僕がプリコネを始めてからの3年間PvEエンドはクラバトで、PvPはアリーナという状態から一切変わっていない。

一生Civ配信を擦り続けてる僕でも流石に飽きが来る訳で、そういった部分に何のテコ入れも無かったのは痛いかなという感じ。

「そもそもプリコネはサブゲー向き」という前提がある気もするのだが、それはそれとしてコンテンツが増えないというのはよくよく考えるととんでもない。

・リソース

これはエンドコンテンツが増えないという内容に直結してしまうのだが、アリーナとクラバトしかコンテンツが存在しないのでキャラ性能の評価軸もその2つしか存在していない。

PvPでもPvEでも自分の順位を向上させたり、既に満足出来る順位に居る場合はそれを維持する為にメタについていく必要があり、ある意味では石を得る為のコンテンツの為に石を支払うゲームになっている。

まぁ勿論それはあまりにもドライで極端な見方ではあるのだが、ピックアップが仕事する事の少ないガチャ仕様において天井まで石を使う判断に性能の影響はそれなりの割合を占めると思う。

そしてガチャ副産物である秘石の需給バランスがシビアになり続けているのも追い打ちを掛けた。

元々秘石はキャラの限界突破だけでなく専用装備の強化に莫大な量を要求されていた。

マナやポーションにも言えるが定期的に専用装備のレベル上限解放は追加されるので、”人頭税”のように育成済みキャラが増えれば増える程更新の度にリソースを削られる。

更に莫大なリソースで解放する必要がある高性能バフキャラのカリンが実装されたり、実質PvP向け要素の追加レベル上限解放で更に育成リソースを要求される事になった。

デノミネーションの如き勢いでリソースを削られた直後に実装が宣言された限定キャラである水着美食殿の☆6解放はある意味トドメになったと思う。

専用装備は最大までキャラを限界突破しなくても使えるのだが、☆6解放は最大までキャラを限界突破しないと行えず、限定キャラはハードモード等でのピース入手手段が存在しない。

毎月マスターコインで少しだけピースは回収出来るのだが、限定キャラは元々突破や専用装備の強化でピースの交換レートが高額化している事も多い。

といっても水着コッコロはサイドストーリーでピースが掘れるし、僕自身水コロはサイドストーリー分で何とか強化したし、水キャルは昔かなり強いキャラだったのでそれこそマスターコインで何とかなったのだが、あまり環境に上がる事のなかった水ペコは厳しかった。

元々専用装備だってそういうものではあったのだが、限定キャラを強化する為に副産物目当てでガチャを回さねばそのキャラは強化出来ないという状態で、一度需給バランスが崩れると行き詰まり感が出てくるような造りではあったのだが、それがついに顕在化したような気がする。

別に全キャラ持っておく必要はないし、事実水着美食殿はクラバトでそこまで必須という訳でもなかったのだが、基本的にプリコネは新要素を実装月のクラバトで強烈に接待する事が多い。

揃わないという事はいざ蓋を開けた時に戦力外となりクランの合計スコアへ大打撃を与えかねない。

ゲームからの”強制隠居”を受けた人も少なからず居るような気がする。

・F2P+ガチャというマネタイズ方式に思うこと

これ以降の話は更に妄想成分が強くなるのだが、前提としてプリコネというのは無課金でも凄まじくガチャを回せるゲームだと思っている。

ただそれは裏を返せば集客方法でもあり、当然ゲーム側は他にマネタイズ手段が必要になる。

まぁ慈善事業じゃないんだからどこかで集金をする必要があるのは当たり前の事である。

ただゲームに勢いがある間は所謂「イナゴ」や「乞食」と揶揄されてしまう僕のようなプレイヤーから集金せずとも、太客やそれに感化されたユーザーたちの熱狂で「君のプレイ進捗じゃそのキャラ使わなくない?」というような層の人でも「人権キャラかよ、回します!」といった風にじゃぶじゃぶ課金する事になる。

そして勢いが落ちるにつれてそういった層も渋るようになり、”太客のおこぼれ”に熱を上げている無課金や微課金層からもある程度以上の収益を見込むようになるのもこれまた必然の事で。

ただそうなった時に突きつけられるゲームへの布施が「天井こそあれど単価も上限額も高く、途中の結果が確約されないガチャという集金装置」であるのが結局は厳しい点だと思う。

「これまで遊ばせて貰ったし……」という借りや罪悪感は勿論あるにせよ、突然高額の支払いをするかゲームとの付き合い方を変えるかを問われれば後者を選ぶ人が多いのではないだろうか。

僕が実際にそうしようとしている事に対する言い訳も勿論含まれているのだが、流石にこの想定は大きく外していないのではないかと思っている。

それこそ勢いのあるゲームに移り住めばまた”無料の快楽”を得られる訳で、モラルを投げ捨てて言うならゲームと心中する必要性が薄い。

元々僕はマンスリーパックやキャラ指名チケット、後は気が乗ったら一応最高レア確定ガチャなんかには課金を許容出来るのだが、「石が尽きたので万札突っ込んで天井上等でガチャ引きます!」とはなれない。

勿論僕が億万長者なら話は違ったかもしれないが……。

さておき、ガチャ自体も悪魔の発明だと揶揄される事があったしそれを疑う余地はないが、大々的なばら撒き戦略を軸にした集客もまた悪魔との契約なんじゃないかという話。

悪魔に支払う契約コストが苦しくなるにつれて権勢に翳りが見えてくるのではなかろうか。

・プリコネ自体の特殊性

色々勝手な話をつらつら述べたが、単にプリコネ自体が背負っていた制約として前作の存在があったり、現実世界とアストルムでの双方の設定を用意する必要がある事もマンネリ化の一因であるようには思う。

僕はキャラを大切にする開発方針は偉いと思うのだが、さりとて一年で実装された新規ガチャの大半が既存キャラの着せ替えというのは話題性の高いソシャゲの中では結構珍しいのではないかという気がする。

どのソシャゲも意匠を凝らした新規キャラクターというのは話題性に繋がるし、マンネリ感の打破や新規層の開拓に繋がる事が多いと思う。

極端すぎる例で言えば僕がサービス初期から未だにプレイしているアズールレーンは無限に新規キャラを追加し続けて毎度毎度性欲一点突破で話題を作っているように思う。

勿論それが絶対的に正しいという訳ではないのだが、どうしても着せ替えキャラというのは元になったキャラを知っているのが前提の身内ウケのような部分があると思っている。

新衣装になる事で「以前のデザインはそうでもなかったけどこれは良いね!」といった化学反応を狙う事も出来ると思うし、プリコネ自体なかよし部のようなスマッシュヒット級の新規キャラを実装しているとはいえ、それでも着せ替えガチャが多すぎたように思う。

そして、所謂MMORPG的な流れを踏襲しているゲームと異なりプリコネは愛着のある1つのキャラを強化するようなシステムをしていない。

キャラの互換性も低めで、コンテンツへの向き不向きの差こそ大きいが基本的にどのキャラもオンリーワンの性能をしている。

だからこそガチャ更新の際に性能が取り沙汰されるし、順位を維持する上でそこにアンテナを伸ばすのは必然とも言える。

しかしこれだけ不満を述べておいてどの口が言うのかという話ではあるが、実のところプリコネのシミュレーションゲーム的なキャラ運用自体はゲームを始めた当初から嫌いではなかった。

一方でキャラが増えすぎた事で編成知識も高度化してしまい、その対策として運営も最適解のトレースを是認した事は忘れてはいけない点だ。

とはいえ集合知に頼る以前の車輪の再発明が楽しかった一方で、クラバトで高難易度TLを完璧にトレースして通す事だってそれはそれで達成感があるのもまた評価に困る点。

良くも悪くもプリコネは他人と自分の環境を画一化しやすい所と、そうであるが故に他人の方法をそのままトレース出来るように作られているゲームという事だ。

特にルナの塔は公式で他人のクリア編成をコピーする機能まであるので容認されている状態だと思う。

ちなみに世間一般で正月キャルがゲームを破壊したという言説があり、それも一つの事実ではあるが遅かれ早かれという話でもあったように思う。

事実クリチカによる敵UB誘発は5段階目ワンパンのようなゲーム崩壊を引き起こしたし、そこにニャルの存在は関係なかった。

ニャルの存在によってダメージ上限が搭載されたし、無限UB対策も搭載されたし、今更感こそあるがクラバトの最速UB発動なんかの実装で連打ツールを使いやすいPCとスマホの格差を埋める施策なんかも行われているし、目についた部分自体は対処していると思う。

インフレを助長しているのが他ならぬゲーム側である事に疑う余地はないが、元来人間はルールの穴を衝いてしまいがちなので穴を塞いでもまた別の穴を見つけていただろう。

・ストーリーに関して

ソシャゲのストーリーを更新する際にメリハリを付けるのは重要ではないかと思っているのだが、プリコネは多少の起伏はあれど基本起承転結を各部全体を通して作っているように思う。

それ自体は当たり前だし、終盤自体は非常に盛り上がるのだが過程が冗長であるような……。

勿論重要シーン自体は各所に盛り込まれているのだが、ゲーム全体の登場キャラの多さと話の本筋の両立に苦労している印象がある。

僕自身仕事の兼ね合いでシナリオライティング講座なんかを軽く受けた事があったりもして、そのせいで口煩くなっているだけなのかもしれないが、長編のシナリオであっても細分化された起承転結を明確に盛り込む事は重要であるように語られていたように思う。

運営的には王都終末決戦のような大規模レイドバトルへの伏線としての効果も見込んでいるだろうしそういった試み自体は良いのだが、まだストーリー上で伏線貼っている起承転結の”承”を一大決戦っぽくとりあえずレイドバトルにしてしまったレギオンウォーのような事態も起こりうる。

ボスのギミックや演出は凝っていたし、毎度毎度フルボイスやアニメ付きでストーリーを描き出すその労力を否定する訳ではないというのは勿論として、ちぐはぐ感を勝手に覚えてしまってはいた。

・まとめ

「熱中している間は気にしていなかったこと」に逐一不満や不安を抱くようになってしまっている事自体がモチベ低下の自覚の始まりだった。

折しもFF11に復帰して20年月額課金のみで生き延びてるMMOに触れる事で、改めてゲームの長期運営について考えさせられているのもこういった話の一因になっているのは否めない。

まぁしかし、開発宣言したコンテンツが実装されない事に関しては本当に難産で物理的に難航していると素直に考えた方が良いのだろうとも思う。

現状のバランス自体が綱渡りで成り立っているのだから雑に導入してしまうと大黒柱であるアリーナやクラバト自体に支障を来す危険もある。

それこそボジョレー式でキャラ性能をインフレさせても一応形を保っていられるのはエンドコンテンツを絞っているからでもあり、キャラの評価軸が増える事で未曾有の事態が起きてもおかしくはない……というか既にクラバト以外のPvEはドラゴンボール化している。

それでも編成トレースで気楽にクリア出来てしまうし、そういうライトに遊ばせようというコンセプトにヘビーユーザー向けのコンテンツをどう混ぜようかと悩み抜いた末に今の構造が出来上がった事に意外性もない。

言ってしまえば根本的なゲームシステムがソシャゲ特有の過度なインフレ化に長期間絶えうるような造りになっていなかっただけであるし、それを根底から覆すようなアップデートが難しいのも仕方がない。

なので「ここがヤバい」という話にはそれこそRe:Re:Diveしなければ解決できないようなものも含まれてしまっている。

そして一生そこに不満を抱き続けるのは不毛すぎるという結論。

「こんだけ文句言ってるのに!?」と思われるかもしれないが、事実僕自身はまだゲームの事を嫌いになってはいない訳で、これが嫌いに転じる前に素直に身を引こうという訳だ。

こういう理屈を並べ立てた直後に大改革が入って不満が解消されたりする事も当然可能性としてはあるのだが、その時は素直に褒め称えよう。

プリコネには長く楽しませて貰ったし、ゲームデザインの難しさも山ほど学ばせて貰ったと思う。

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